参謀の 血が騒ぐぞ 商社でも

山崎豊子原作で山本隆夫監督が手掛けた三部作の　「金環食」　「華麗なる一族」　「不毛地帯」
どの作品の主人公も実在していた人物がモデルになっているといわれている　今日紹介する不毛
地帯の主人公・壱岐正は瀬島龍三だと言われている　３時間の大作映画のため概略の概略を
紹介する

◎　「不毛地帯」　仲代達矢　　丹波哲郎　　田宮二郎　　山形勲　など豪華俳優が出演
　終戦時陸軍大本営参謀だった壱岐は陸軍幼年兵　陸軍士官学校　陸軍大学校を首席で卒業した
　エリート　軍歴を重ね中佐になった壱岐は終戦になっても応じようしない満州の陸軍を説得しする
　ため説得する　日本に復命するため飛行機に乗ろうとした時　士官学校からの友人である川又が
　負傷し壱岐は日本への飛行機には川又を治療のため替って載せ　自分は満州に残る　そこで
　ロシア軍の捕虜となり戦争前のロシア訪問時の偽のパスポートあだとなりスパイ活動をしていた
　とされ　極寒の地シベリアで寒さと極悪労働　独房の抑留１１年間を過ごした
　復員後２年間ともに抑留時代を過ごした部下の就職に勤め自らの体力の回復に努めていた　防衛
　省の防衛部長になっていて抑留時代の壱岐の家族を援助していた川又は熱心に防衛省入りを
　勧めるが壱岐は応じず妻と長女も反対する　その頃防衛省では次期レーダーと戦闘機の選定作業
　に入っており川又も次期戦闘機の調査委員の一人だった　膨大な予算が絡むため輸入の窓口とな
　る商社は元防衛省幹部などを招聘し躍起となっている時期だった
　そんな時関西の近畿商事の大門社長からうちに入社して下さいとの声がかかる　壱岐は入社条件
　として過去の経歴に関係する職種にはつかない　言論妨害などをしないなどの3つの条件を書いた
　履歴書を大門社長に送っていた　面接当日　大門社長は入社の３条件は必ず守と約束し壱岐は
　近畿商事への就職を決めた　そして繊維部に配属され社員の仕事をみながら仕事の内容を覚え
　ようとした　航空部を管轄する専務は他の商社が次期戦闘機の選定に備え防衛省や元陸軍幹部
　などを続々招いている事を上げ大門社長に壱岐を航空部に配属してくれと頼むが大門は少し待て
　と止める
　入社して数カ月経ったころ壱岐はＮＹへの研修を命じられ社長や他の社員とＮＹに行った　ＮＹでは
　現地の支社の社員が繊維街を案内してくれるなどしていたが　ある日エドワード空軍基地の見学
　に連れ出される　基地では近畿商事が推しているラッキードの次期候補の戦闘機の試乗が防衛
　省のパイロットによって行われ　壱岐はその能力の高さに圧倒される　その基地には川又部長も
　臨席していていた　夜になって二人で食事に出かけた川又は選定を進めている機種と商社　国会
　議員との繋がりを説明し　現状では東京商事の推すグランド社の戦闘機が議員への賄賂もきいて
　７割程に固まっている　しかしヨーロッパの各国はラッキードの戦闘機を導入しており　実績の無い
　グランド社の戦闘機を選んだら世界中の笑い物になる　と壱岐を口説く　　壱岐はラッキードの戦闘
　機を見て大本営参謀時代の軍人魂が蘇り　入社の条件を破ってラッキードの戦闘機の導入しよう
　と決意する　そこには川又に対する友情も含まれていた
　壱岐は航空部付き顧問という肩書になり　昔の人脈を通じて政治と官僚の世界に入って　参謀時代
　の権謀術数を使い　東京商事の推薦機種が７割だったものを五分五分までに漕ぎつける　後は
　価格勝負だと思った壱岐は東京商事の入札価格を探るため別室を用意し部下と防衛省の職員を
　使い探りださせる　防衛省の職員が川又部長に配られた東京商事の見積書のコピーを盗み出すこと
　に成功　そのコピーには川又のものであるという番号と　川又自身のメモが書かれていた　この盗み
　事件を警察が突き止め壱岐と会社を責める　そして防衛省では川又が反目していた上司から情報
　漏洩が自分の資料からと知らされ愕然とし　もう自分は防衛省にいる場所はないと　電車に飛び込
　み自殺し体は粉々に　壱岐が自殺現場に行って残っていたマフラーから川又であると警察に告げる
　そして近畿商事の賄賂と策略の成果として防衛省の次期戦闘機はラッキード社の戦闘機に決定し
　た　しかし壱岐は自分の工作が親友の川又を追い込み自殺に追い込んだと悔やみ　大門社長に
　辞表を提出し社長室を出る　大門社長はその辞表を破り捨ててしまう

この長い映画ではロシアでの極悪の抑留生活　そして商社という会社の活動　防衛省と政治家との
絡みが分かって面白い　しかし一番の悪は甘い汁を吸って　莫大な金を得た政治家だね